大腰筋はおおらかに気持ちよく鍛えます。

大腰筋が衰えると様々な障害が出てきます。お肉で言うとヒレ肉ですね。

太極拳では、ゆっくり動いて大腰筋の動きをよくとらえます。筋と言っても筋肉の方ではなく、筋と骨のつながりをつかみ取ります。そのつながりが柔らかく多様であればあるほど、腰は鬆(す)の入ったような軽い感覚になり、すなわち太極拳での鬆腰となります。

大腰筋と背骨のつながりは、その刺激が真っ先に刺爬虫類の脳といわれている脳幹の原始脳に伝わります。脳幹は、間脳、中脳、橋、延髄で構成されていて、人間が手を使い始めたことによって、脊髄が発達したものとされているところです。

套路やエアロタイチを動いているときに、大腰筋が緊張しているかどうかを感じながら、その部分がリラックスして気持ちよくなるように動くようにします。

その気持ちよさと自分の心の動きがしっかりと身体に染みつき、どんどんと大腿筋が正常に躍動し始めます。そして中腰の姿勢が、深層筋である大腰筋を表層の随意筋に従わせて動かすのです。中腰の姿勢が維持できる太極拳の運動がそれを持続的に可能にするので、ものの5分もすると脳幹が大きく刺激され、生命の根幹が生き生きとしてくるのです。

少しのことですが、腰を落としたり、のばしたり、歩幅や足の置く場所、上体などの動きによって、浅部や深部、その部位が、一本ではない細い筋肉の集まりである大腿筋の使う場所が変わってくるのです。武道の動きで効率的に重心移動や、下半身の上下運動、バランス運動を繰り返すことでその全ての部位が補強されます。

特に大腿筋は深層筋であり、ゆっくり動くことで鍛えることが出来ます。速い動きは表層の筋肉を多用するので、どうしてもそれにとらわれてしまいます。

又、安全域を考えて制定された範囲内の動きでは、その部分は衰えるばかりであり、又刺激もされません。少し自分の安全域を超えていくような気持ちで、どんどんと安定域を広げていきます。自分で少しバランスが崩れそうな部分までを少しずつゆっくりと套路や、エアロタイチなどの練習で広げていくと、そのバランスを保とうとする大腰筋がしっかりと育ってきます。太極拳をやっている人で腰が悪い人が多いのは、制定された太極拳を安全域で行っているため、大腰筋はますます退化し、刺激もされないので、脳幹もそれでいいものとして全体の運動能力を低下させていくのです。

大切なことは、形や姿勢、決められた動きなど守らず、条件をつけず、おおらかに気持ちよく、生き生きと動くということです。

楊無敵と言われた太極拳の楊式の創始者、楊露禅は套路の写真などは残していませんが、楊式を世界中に広める基礎を作った、その孫に当たる楊家第三代の楊 澄甫などの套路の写真をみればわかるように、蹬脚などの時の套路の足は今の太極拳のように高く上げることもなく膝も曲がり、そのほかの型を見ても自由な動きであったことが伺えます。今の制定太極拳で太極拳の要求だと言われているような形や姿勢に当てはめると、楊 澄甫はなってないということになります。楊無敵と言われた楊露禅は型を教えることなく、ひたすら対錬という散手を中心にゆっくりと動くことを修行させ、その備忘録として108の型をつなぎ合わせて套路という単練の型のつながりを作り上げ、それを毎日弟子達に自宅などで行わせていたということです。単純に、つなぎ合わせることが出来たのが108だったと言うことであり、それ以上に多種多様に太極拳の型はありました。それを今はある形にまとめて体裁と見た目や要求する条件を整え太極拳だとして行っていることが、本来の太極拳から大きく遠ざかる原因だとも言われています。このように大腿筋一つをとっても、おおらかな動きで初めて健全になるものであり、決められた型にはめていった太極拳で大腰筋が育つものではないことがおわかりいただけると思います。

姿勢や若さ、健康の要、仙骨のお話です。

仙骨は人間の背骨を支える土台です。 仙骨の上に、背骨が乗っています。

人体のほぼ中心で、骨盤の中央にあり、その先には尾てい骨があります。

この仙骨が腰から上の体全体を支えていますから、これが、おかしくなると全てが大変なことになります。

太極拳の内丹術での整体は、仙骨の調整を最も重要視しています。 私の知り合いの整骨院でも、この仙骨の調整で全てが解決します。 多くの人がここのゆがみで苦しんでいます。

仙骨の周辺には太陽叢(たいようそう)という大きな太陽のように放射する自律神経の固まりがあります。 腹脳とも言われます。ここを下丹田。胸にある胸腺の位置にある、中丹田。脳内の深い部分にある松果体を上丹田として、気を循環させます。

どれも、いやなことや辛いことがあると痛く、重くなる部分ですね。 良いことがうれしいことがあるとスカッとする部分です。

下丹田は自律神経の要、中丹田は免疫の要、特に胸腺が衰えることが老化になります。上丹田は人間が生きる上でとても重要な、睡眠を正常にするなどのホルモン、メラトニンを分泌し、メラトニンは鬱病や神経症の治療薬として注目されているセロトニンから生成されます。

ここで中心に気を通し、調整しますが、この中心が歪むと仙骨をはじめ背骨も大きく歪み、身体のバランスが大きく崩れます。 その結果、著しく身体波動は低下し、内臓や精神までもその影響を及ぼし、病気や症状という形で発生します。

この調整は、初歩は、仙骨内の活性化です。 ここでは、仙骨の中心部には臍下丹田と言われ非常に重要視されているエネルギー球体が有ります。この丹田の源を活性させることで、エネルギー源を活発にします。

まず、立禅という立って行う禅を行います。

立禅において、自然呼吸で、身体を調え、心を調え、念を止めて心身を落ち着かせます。次に心と呼吸を合わせます。 そこから吐納法という呼吸法を行います。 最初は自然呼吸の文息(意識が弱めの静かな呼吸)で、 その後に強い意識で武息(深い強い呼吸)を丹田が熱くなる感覚に沿って繰り返します。 良く腹式呼吸と言われますが、正しくは逆腹式呼吸です。 よく言われる気功がこの段階です。

息は印堂という眉毛の間の経穴から息を吸うような感覚で、吐きながら丹田に意識で落とします。体の中心を走る経絡を使います。(奇経の衝脈)

これが静功です。

丹田がぽかぽかしてきたら、エネルギー球体をへそ(神闕:しんけつ)のところに意識し、へそ下(気海=きかい)、関元(かんげん)=へそと恥骨の中間、中極(ちゅうきょく)=へそから恥骨までを5等分し、その5分の4下がったところ、(3つ合わせて臍下丹田)に落とします。 そこから会陰(えいん)=肛門の1センチ前→尾閭(びろ)尾骨の先端→命門(めいもん)へその真後ろ 第2・第3腰椎の間→夾脊(きょうつい)命門のすこし上のところ→心兪(しんゆ)肩甲骨の間の真ん中→大椎(だいつい)首の一番大きな突起の下、第7頚椎と第1胸椎の間→玉枕(ぎょくちん)眼球の真後ろ 「枕があたる骨」→百会(ひゃくえ)頭の頂上 両耳の先端から、真っ直ぐに上がったところ→印堂(いんどう)=眉間→山根(さんこん)両目頭の間を「エネルギーのボール」を舌を上顎につけて下へ誘導していきます。 そして唾液を飲み下し、天突(てんとつ)喉仏の下→(だんちゅう)=左右の乳頭の中間で胸腺の位置(中丹田)→中月完(ちゅうかん)→神闕(しんけつ)へそに戻り、神闕にある「エネルギーのボール」を一度丹田内(関元=へそ下三寸→会陰=肛門前→尾閭=尾てい骨→命門=へそ裏→神闕=へそ)で回転させます。

これを起勢という、太極拳の型を使って行います。 ゆっくりやればやるほどいいのです。

内丹術ではここまでを築基(ちくき)と言います。動きと呼吸と気が一致して動きます。

動功です。これを繰り返し延々と練習します。 3年くらいはこれしか教えない武当派の流派もあります。

ここまでは基礎を作る段階です。要は未病状態ではない体にするという段階です。 うまくいっていると、少し歩いただけでも、掌がまっ赤になる五気順布という現象が現れます。いつでもそれが出来るようになると、もう気功師の入口です。 レイキなどの簡単な気功が行えます。 冬でも手がぽかぽかです。

この後は、より健康な体、本来の素晴らしい潜在能力を呼び戻す段階です。

内丹術の小周天や大周天という技法を使います。 両方とも古式太極拳の型の中で行っていきます。 とても深い長い道ですが、正しい内丹術に沿った、おおらかな套路を毎日続けてやることで驚くほど早い時間で内丹で仙人を目指せます。

太極拳が熟練してくると、築基の静功と動功を詳しくやります。

中心が正しく整っているかは、新聞紙の筒を使ったバランスで検査します。 気が通ったかどうかは、掌で分かります。

祥泉院の本堂建築中の内部を見学しました。

早朝の太極拳が終わった後に、いつもどおり、近くのお寺の祥泉院に行くと、住職さんが出てきて、今建築中の立派な本堂の内部を見せてくれました。
そこには、様々な彫り物や、大きな柱、住職さんのお父さんが彫ったという、天井の彫り絵などを見せてくれました。
そこには、近くを流れる鶴見川の鳥や、水の中の生き物たちも描かれていました。
特に印象的だったのは、ウサギの彫り物が多かったことです。ここの住職さんがその彫り物のデザインを意匠したということです。
ところで住職さんは58才と言うことですから、うさぎ年かなと考えてみると、うさぎのお話について頭に浮かんできました。そこで以前に書いたワールドインポートサークルの会報誌の編集記事「日本のお月見の風習」をここにご紹介します。
●十五夜と十三夜●
十五夜は陰暦8月15日(毎年変わり ます)。この頃の月を賞<め>でる風 習はすでに中国・唐代の記録からあっ て、中国の「中秋節」の影響で奈良時 代に伝わり、始まったものとされます。 平安時代初期に、貴族達の間で、この 日の月を見ながら宴会をする風習がで き、この頃の平安貴族らのお月見は、 月を直接見ることをせず、杯や池に映 した月や、船に乗り水面に映った月を 眺めながら和歌や音楽を楽しむ「観月 宴」とか「月の宴」と呼ばれる宴が催さ れていました。 この月見は、本来豊作の象徴である 満月に秋の七草やだんご、季節の野 菜などを供えて、満月をまつる神祭り の日であったと考えらています。民間 に定着するにあたっては、やはりその 基礎となる習俗がありました。これが初 穂祭、つまり秋の収穫祭であるとされま す。春から手を掛けて育てた作物が秋 には実り、人々に大事な食料をもたらしてくれます。日本人は この自然の恵みに感謝して、この時期いろいろな祭を行いまし た。特にこのお月見の時期、里芋がおいしくなります。単に名 月を鑑賞するだけの行事ではなく里芋の初物を祝う収穫祭で もあり、畑作儀礼だったと考えられています。 里芋はインドを中心とする熱帯アジアが原産地で、日本へは すでに稲作以前に南方民族の北進と共に伝播されたらしい古 い作物で、奈良時代から栽培されてきました。 そしてもう一つ、旧暦9月13日の夜の満月は「十三夜」と呼ば れ、同じようにその美しさを愛でる習慣が日本にはあります。十 五夜が古代中国からの伝来なのに対して、「十三夜」に関して は日本独特の習慣だといわれており、十三夜の習慣もとても古 いようです。日本では、この両方を鑑賞するものがお月見なの であり、片方しか行わない「片月見」は良くないとう伝承が各地 に残っています。 伝統的なお月見(十三夜と十五夜)の飾りとしては、地域に よっても異なりますが、十五夜はすすきと秋の草花やお団子( 15個)、さつま芋や里芋などの農作物や柿やなしなど季節の果 物を供えます。十三夜には、ススキやお団子(13個)とともに栗 や豆などをお供えします。ですから、十五夜は「芋名月」、十三
夜は「豆名月」または「栗名月」といった別名もあります。鳥取 県のある地域では、十五夜を芋神様のお祭りとして、芋の掘り 始める日としているそうです。ススキを飾る由来は、ススキが稲 穂に似ているためで、稲穂そのものを飾る場合もあります。ま た、ススキの鋭い切り口が魔除けになるとされ、お月見のあと軒 先に吊るしておく風習もみられます。月見団子の由来は、古く からの日本の代表的食物で、丁度この頃出る里芋を炊いて供 えたのが原型とされているため、中国の月餅から団子に変わ ってお供えするようになったようです。ですから、関西の方では 里芋のような紡錘型のだんごであったり、それにあんが巻いて あったりする月見団子がポピュラー。私は月見団子と言ったら
白くてまん丸のものだと思っていたの で、地域によって違うのだなあと面白く 感じました。お供えする団子の数は、 一般的に十五夜は15個、十三夜は1 3個とされていますが、その年に出た 満月の数を供える(平年は12個、閏年 は13個)という説もあります。昔は月の 満ち欠けによって暦が作られ、農作業 も進められていましたから、満月の数 や、新月から何日目の月か(○○夜) ということは大きな意味があり、それが 団子の数になったのです。
●お月見泥棒!?●
面白いことに、昔は多くの地方で、こ のお月見の日だけは、子ども達は人 の畑に植わっている芋を勝手に取っ て食べても良かったり、縁側にお供え してあるお団子を黙って取って食べて もいいという「お月見泥棒」という風習 がありました。ただし幾らでも取ってい いという訳ではなく、畑の芋なら道から 片足踏み込んだ所まで、団子なら一
人一個といったようなルールもあったようです。子ども達は、箸 か長い棒一本を持って家人に気づかれないように庭先や玄関 先に置いてある団子をいただく、見つからないようにとスリルを 楽しむ日だったのです。また、盗まれた方の家では「お月様が 食べてくださった」と子供たちが今年も元気な印だと、喜んだよ うです。幼児の死亡率の高かった昔の時代には、子供たちは お月様の世界(向こうの世界)に半分暮らしているという考え方 もあったのだそうです。また、「団子は多く盗まれた方が縁起が よい」、「供物の団子を盗んで食べると健康でいられる」などとも 言われていました。しかし、教育上よくないという見解から、廃 止になったところがほとんどだそうです。この祭事の行為の基 になっている気持ちを教えようとせず、行為自体だけを問題視 して教育上良くないと廃止してしまう不安の教育こそ、問題の ような気がしますが。最近では、お月見泥棒が変化して、子ど もたちがお菓子をもらいに回るような、まるで和製ハロウィンと いった行事を行っている地域もあるようです。
月ウサギのルーツ
日本では古くから、「月にはうさぎがいて餅つきをし ている」といわれています。では、なぜ「月のうさぎの餅つき」の
お話ができたのでしょう? このお話の元祖は、中国の昔話にあると言われています。 中 国では、中秋に兎児爺(トルイエ)という昔の役人の格好をし た泥人形が飾られます。そして、うさぎが薬をつく絵を庭に飾 り、月餅を食べます。ではなぜ、こうした風習ができたのでしょ うか?その由来は、さらにインドの伝説に由来しているといわ れ、仏教の説話から生まれた見方のようです。諸説あります が、1番ポピュラーな話を要約してご紹介します。
『昔、うさぎと猿と狐が道心(信心する心)を起こしたのを、帝釈 天(タイシャクテン)という神様が試そうとし、老人に化けて供養 を請うと、猿は木の実を、狐は魚を捕ってきましたが、何も捕る ものがないうさぎは、自ら火の中に飛び込み、自分の身を 食 料として老人に捧げました。この事を哀れんで、帝釈は月にう さぎの形を移し、人々に知らせたのです。』というお話です。こ れが中国で薬草をつく月ウサギのルーツではないかと言われ ています。そして日本に渡って餅をつくようになったのは、「うさ ぎが老人のために餅つきをしている」とか「うさぎが食べ物に困 らないように」という説もありますが、日本における中秋の名月 が豊穣祝いであることを考えると、たくさんのお米がとれたこと に感謝する意が込められているように考えられます。

線維筋痛症、太極拳の効用

線維筋痛症は全身の強い痛みを主な症状とする慢性の病気だ。原因は不明で、特効薬はまだない。この病気の症状の改善に太極拳が有効という論文が、ニューイングランド医学誌に8月掲載された。

研究は米国の一大学病院で行われた。線維筋痛症の患者66人をくじ引きで太極拳群(33人)と比較群(33人)に分けた。患者は平均約50歳、病気にかかっている期間は平均11年だった。

太極拳群には、1人の指導者による1回60分、週2回のレッスンを12週間続けた。自宅でも毎日20分以上の練習をするよう指導した。比較群には、線維筋痛症についての健康教育40分とストレッチ20分からなる1回60分の指導を、太極拳群と同じ回数行った。自宅でも毎日20分のストレッチをするよう指導した。

その結果、線維筋痛症の症状(痛み、身体機能、倦怠感、うつ、不安など)の検査(100点満点、点数が高い方が症状が強い)で臨床的に有意義な改善(8.1点以上の低下)を示した割合は、12週後の時点で、太極拳群が78.8%と、比較群の39.4%を大きく引き離した。24週後でも太極拳群(81.8%)は比較群(51.5%)より改善が大きかった。太極拳による有害作用はなかった。
著者らによると、対象者を太極拳群と比較群に偏りなく分け、線維筋痛症への効果を調べた臨床試験は初めて。今回の結果を「予備的」と位置づけ、さらに大規模で長期間の研究が必要としている。

研究に対する論評は、今回の「小規模な臨床試験による劇的な結果」をさらに追試で確認する必要があると指摘。その間、医師が処方箋に「太極拳」と書くのは時期尚早としながらも、線維筋痛症の患者が太極拳のような運動に関心を示すのをサポートするのは理にかなっていると評価している。

この研究は、米国立補完代替療法センターなどの助成で行われた。太極拳のような民間療法を評価するしっかりした研究を、公費で行う重要性を感じさせる。

(2010年9月27日付 朝日新聞東京本社夕刊から)

太極拳の恍惚感の理由を調べてみました。

朝の太極拳は動き始めて5〜6分すると身体に恍惚感が芽生えはじめ、終わる頃にはこの世のものとは思えないような、至福の恍惚感に包まれます。
マラソンでもランナーズハイとか、登山ではクライマーズハイというように、苦しさがピークを迎えると生理的な防衛作用としてホルモンの作用によって恍惚感が表れますが、恍惚感が表れるまでは結構長い時間がかかります。
太極拳は套路において逆腹式呼吸が自然に行われ、無意識に呼吸が深くなったとき、そしてゆっくりと動く太極拳の動作により、特に吐く息が長くなったときにに副交感神経が大いに刺激されます。

副交感神経が刺激されると、脳波にアルファ波が活発になることはわかっています。その活性化により、脳幹から前頭前野に伸びている別名恍惚神経といわれているA10(エーテン)神経が刺激され、快感ホルモンが分泌されて、脳は安定の極致に達し、恍惚感をあじわうことができるのです。

毎日朝の套路が楽しみなのも、この恍惚感のおかげもあるかもしれません。

又、太極拳の恍惚感は、套路をやっているときよりはややかげりますが丸一日持続します。

うつ病

朝起きて頭を使うまえに、体を動かさないとうつ病になるという情報が最近テレビで紹介されていました。

うつ対策としては、朝、寝床から起きてすぐに公園に行って、自然の中で何も考えずに套路をやるのは、とてもいいことですね。

しかし、何も意識をせずになめらかに身体を心の赴くまま動かすことはとてもいいことですが、太極拳は意識を用いて動くと教えられた場合は少なからず頭を使うことになってしまうので、意識をせずに意(心)の赴くまま太極拳を動いてみましょう。実はそれが用意不要力なのです。

一般的な太極拳が教えている用意不要力は、用意識不要力ということになります。意識は意ではなく、意を認識している力です。全く異なります。

実は意識をせずに間違えずに套路をするということはとても難しいことです。だから套路の順番など、心が赴くなら間違えてもいいのです。

そして、10時を過ぎて夕方になるまでの間に、套路を覚える時間を作って、そこでは意識を持って套路を練習し、そして意識下にある人間本来の動きに合致するように套路を練習すれば、朝の套路は意識などを用いずとも、意(心)だけを用いて行うことが出来るようになります。

心が要求するとおり動けばいいのです。意識に上る前にです。

最近はうつも低年齢化してきて、小学生の12人に1人がうつ傾向にあるらしいです。

子供は朝、学校で頭を使う前の、学校に行くまでの間に身体をぶつけ合って遊ぶということが、最近では少なくなってきました。うつ対策には、子供は学校で頭を使う前に、夢中で遊ぶだけでいいのです。

大人は朝から夢中で遊ぶというのもなかなか出来ませんので(夢中で遊ぶ人もいます)、意識を使わない太極拳の套路がお勧めです。うつ対策としては頭を使う武道や、意識を使う太極拳はお勧めできません。

又うつというのは、最初の症状として情緒が沈む傾向がある前に、急に記憶が悪くなったり、作業が思い通り進まなくなったりという症状が現れます。

そのような傾向が現れたら、エアロタイチなどの簡単ですぐに実戦できる太極拳の単練を一つ覚えて、朝何も考えず公園で15分以上やってみるのがお勧めです。

気分が沈みがちな一日も、これだけでうきうきの一日になるから不思議です。

うつうつする。

太極拳では膝を壊す人が多いですが、膝を壊さず瞑想太極拳まで至るにはどうすればいいですか。

メールでご質問いただきました。ありがとうございました。

もともと太極拳の動きは、基本をしっかりしていないと膝を壊すのは当然の動きなんです。その他の武道も同じだと思います。

日本で普及している太極拳は、お年寄りでもすぐに始めることが出来る運動として普及しています。

しかし、基礎的な武道としての動きの基本を修練していないと、太極拳の高度な動きは当然、膝だけでなく、腰や首などの関節部分を痛めるのです。

そこで、制定太極拳は、その痛めることのない安全な範囲で動けるように制定されたものです。けが人が続出したりすると、もちろん普及もままなりません。

又、年配の方がすぐに行えないのであれば、手軽な健康運動という目的も達成できません。

しかし、その安全な範囲を維持するのは、太極拳の本来の自然でおおらかな自由な動きと相反するのです。

従って、太極拳の動きはいくら安全範囲で動く姿勢や型を習っても、ついその範囲を超えてしまうものです。

その時に、太極拳の動きはその範囲を超えた部分にダメージを及ぼします。

近年太極拳をしている人の多くの方が、膝や腰を壊している方が多く見受けられます。同時に首や背骨の異変から、肩こりや内臓疾患に問題を持っている方も増えてきています。

私たちからすると当たり前のことで、私の先生は以前から指摘していました。

もちろん武道家にも多いですね。その人達は主に交感神経を多用している武道に多く見られます。太極拳は副交感神経を主にして発勁しますので、全く心配はありません。

そこで、ご質問へのお答えですが、太極拳の套路を行う前に必ず基本を身につけると言うことが最も重要です。

一般に普及している太極拳の基本は、安全域を維持するための、膝を足先より前に出さないや、足のグリップの方法や姿勢の維持などが基本ですが、本来の武道としての太極拳の基本は逆です。

どのような体勢にになっても、例えば膝が足先よりも前に出ても、膝に何の負荷もかからないし、又その体勢が自然に復帰するような動きを身につけることが基本です。

従って、健康太極拳として安全に日常のささやかなリラックス運動として行うなら、私たちは太極拳よりラジオ体操をおすすめします。ラジオ体操をゆっくりとリラックスして気を巡らせて行うのが一番いいと思っています。

太極拳は武道ですので、基本を行っていないと必ずといっていいほど身体をこわします。

しかし、太極拳は、人間の潜在能力を極限まで引き出し、そのあらゆる動く範囲まで全てを太極拳として練るものです。まるで大河が悠々とおおらかに何の制限もなく流れているイメージです。

本当の太極拳を身につけると、人間としての最大限の可能性に及ぶまでの範囲を、自らの生命エネルギー(気)で満たすことが出来るようになります。

そこで、私たちは太極拳の練習の時に行っている基本練習を、誰でもが楽しく簡単に効率的にできるようにするため、エアロタイチという太極拳の基本単練とエアロビクス(吐納法=気功法)を組み合わせた基本修練を広めていくことで、せっかく広まった太極拳の本当のすばらしさを多くの方に知ってもらえるようにと活動しています。

エアロタイチでは、一つ又は組み合わせた太極拳の型を特別な歩法を使って、吐納法を使ってミドルテンポのリズムで動きます。

特別な歩法とは、人間の身体にある均衡反射という動物としての本来的な自然な動きを使います。この均衡反射は、階段で転びそうになったり色々なバランスが壊れたときに発揮されるものです。そこのところを普段から呼び水をするように呼び起こす訓練が特別な歩法練習です。

吐納法はとても重要です。呼吸と動きは一体であり、自然な呼吸と自然な動きの中で人間の本来の反射や動きが起こります。緊張しているときに一番けがが多いのはそのためです。その均衡反射などの動きは反射という人間の最も無為なところで起こります。ですから、エアロタイチを行うときなどは音楽を聴きながら、何も考えることないリラックスした状態で、その動きを呼び起こします。

その動きで発勁という動きの最大点を迎えるときに、通常の武道の呼吸は主に緊張状態の時にあります。太極拳ではその時に、逆腹式呼吸を使用してリラックスを維持します。

その時にちょうど、膝などが最大に進むところまで進んでいるので、ここで均衡反射が正常に行われ、その反射と合致した動きが自然と行われないと、もちろん膝を壊すのです。

リラックスをしていて、自然な均衡反射に沿って膝が回る。その訓練を最初は小さな動きからだんだんと早く大きな動きに替えていきます。

これが歩法の部分だけの基本練習です。これを続けている内に、型を使って歩法や呼吸法など、又上半身や手先、首や背中腰の動きまで細かく、基本の動きを身につけていくと、いつの間にか套路の型は覚えてしまうのです。

後は順番とその過渡式を覚えると套路は完成です。

自然な型を覚えてしまうと、過渡式は次の自然な型へつながる自然な動きですから、いとも簡単につなげることが出来ます。

全ては基本です。站椿や推手も大事ですが、套路をやるなら武道としての太極拳の基本を身につけることが大切です。

最大の可能性の範囲まで本来の動きを取り戻した人間の身体は、外で誰かにぶつかられたときなども同じようにその能力を自然に発揮してくれます。

安全範囲で太極拳を行っている限りは、私は套路をすることをお進めしません。

なぜなら、人間の身体は何もしなければどんどん衰えます。安全範囲はどんどん縮小すると考えてください。

安全とは、その限界から遠ざかることです。安全な範囲で行っていると、その限界はより安全に行っている範囲まで近づいてきます。又そこから遠ざかることが安全範囲になります。

従って、今、膝を足先より出さない範囲が安全だと思っていても、膝は安全範囲をどんどん狭めてきます。そこで言われたとおりやっていても膝を壊すのです。

しかし、その限界を超えるのは、その限界を無理なく超えた人から教わるしか有りません。たぶん昔も多くの人が膝を壊し、本来の自然な動きが出来た人だけが、太極拳の本当の使い手となったのでしょう。使い手だと言われている人で膝を壊したり身体をこわした人は論外で、本来の使い手は、仙人のように若々しく、元気で、健康でバイタリティあふれるようになるのが当たり前です。

太極拳は武当派と言われる中国の武当山の仙人修行の人たちが源流のものがあります。

今は、世界中に分散していますが、健康太極拳とは全く別のものと考えた方がいいと思います。

メールをいただいた方は、私の24式の動画を自分の身体が求めている動きであると感じたと言っていただきました。

そうなんです。本来の自分の身体が求めている動きをすることが太極拳なんです。安全のための細かい姿勢や型を気にせずおおらかに動けてこそ太極拳です。

メールをいただいた方へのお返事ですが、私の教室は今は横浜でしか行っていません。どちらかというと、今までは時間的にもそれでいいと思っていましたが、最近急激に私の太極拳にご注目いただく方が増えてきました。

そこで、今どうにかして、遠方の方にも私が身につけた太極拳を経験してもらうことが出来ないかを考えています。もうしばらくお待ちください。

それではメールをいただいた方ありがとうございました。そのお返事は、他の方のメールでのお問い合わせにもある共通のテーマですので、ここでお返事させていただきました。

ちょうちょが手にとまり喜んでます。

 家の近所にある『寺家ふるさと村』で、食べ頃の桑の実を見つけ持っていたら、チョウチョが手にとまって桑の実を吸い始めました。そのままジーッとしてたら、約3分ぐらいおいしそうに食べて飛び立っていきました。
 毎朝、太極拳をやっていると、太陽や風、鳥や木々たちとも楽しく話し合えます。
 太極拳Podcastを見て、軽く套路を覚えて、朝の太極拳に参加しませんか。
 場所はみたけ台公園(地図)で、冬は朝6時〜7時ぐらいの間に始めています。詳細は、メールなどでお問い合わせください。